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- 2022.04.08 Friday
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読売新聞 7月3日(火)11時59分配信
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幼稚園児の前で自作の歌を歌う田中巡査(前橋市南町の明星幼稚園で) |
元プロミュージシャンの警察官が2日、前橋市南町の明星幼稚園で開かれた交通安全教室で、自作の歌を披露した。
制服姿でギター片手に熱唱する姿に、園児らは歓声を上げて喜んでいた。
歌を披露したのは今年3月から同市青梨子(あおなし)町の群馬県警前橋署青梨子駐在所に勤務する田中鷹平(ようへい)巡査(30)。2007年に東京のラジオ局などが主催した全国オーディションで準グランプリに輝き、フルアルバムも2枚リリースしている異色の経歴の持ち主だ。
人気ロックバンド「ザ・ブルーハーツ」に感銘を受けた小学生の頃から音楽にのめり込み、念願のプロとなって3人組ロックバンドのボーカルとして活動してきた。だが、生活の不安定さなどから約2年前、苦渋の決断で、幼い頃からのもう一つの夢だった警察官になる道を選んだ。
駐在所勤務となった後、経歴を知った前橋署の小倉正美署長から今年5月、「交通安全教室などで披露する歌を作ってみないか」と勧められた。「もう人前で歌うことはないだろう」と諦めていただけに当初は戸惑いもあった。
それでも引き受けたのは、「地域の人々の助けになる仕事がしたい」という警察官を志した原点だった。
交通安全教室では、交通安全の歌2曲と振り込め詐欺注意の歌1曲を初披露。
横断時の左右確認などの交通マナーや、振り込め詐欺の手口について、軽快なメロディーに乗せてコミカルに歌うと、会場は大いに盛り上がった。年長の園児(5)は「わかりやすくて楽しかった」と目を輝かせた。
田中巡査は「特技が、こんな形で人の役に立つとは思わなかった。より多くの人に聞いてもらいたい」と感激した様子で話した。
県警は今後、田中巡査の歌をCD化し、交通安全教室などに利用することも考えているという。さらに、高齢者に向けた交通安全の歌や、被災地に支援に行っている県警職員にエールを送る歌の作成も依頼しており、田中巡査は曲作りに励んでいる。